鎌倉の秋 2008.11.22 明月院・北条時頼の法事と紅葉 

さて、今年の紅葉はまず明月院から。まずは定点観測ポイントの総門の紅葉から。

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う〜ん、今年はダメかも。もしも奥庭が公開されていれば見頃は午前中なんですが、拝観料を払うときに、その奥庭公開を聞いてみました。そしたら「未定で御座います」と。この時点で未定ということは、公開は無いかもしれません。


ところでこの日、お寺の外まで大勢の読経の声が。いや、本堂はずっと奥なんで、外まで聞こえるはずはない。やっぱりここか! 北条時頼廟です。

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そもそもここは鎌倉幕府の5代執権北条時頼の別業、意味としては別荘みたいなものですが、形式的には今の鶴岡八幡宮の近く、将軍の御所の近くに本邸があったはずですが、実際にはほとんとここ山内の私邸に居たようです。その私邸の中に持仏堂を建てて、それが最明寺となります。最明寺殿と言えば出家後の北条時頼のことです。

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でまあ、話せば長くなるのではしょってしまって、弘長3年(1263)11月22日、37歳でここに亡くなります。ん? 11月22日? 今日じゃん。北条時頼の命日の法事だったようです。
だから偉そうなお坊さんが沢山集まっていたんですね。修行僧ばっかじゃないかって? いえいえあのちっちゃなお堂の中に十数人の偉いお坊さんが入っているんです。出てくるまではそんなに居たなんて解りませんでしたが。建長寺派の偉いお坊さん達だったのでしょう。建長寺を建てたのは北条時頼ですし。


その北条時頼廟の脇は明月院では最初に紅葉します。

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こうして見ると見事な紅葉でしょ。

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あっ、南天の実も綺麗に色づいていますね。

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北条時頼廟での読経のあと、お墓にお焼香をして、みなさん本堂の方に引き上げていきます。本当の明月院はあの山門の向こうだと思います。昔の話しですが。

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というのは、北条時頼が亡くなったときにはここは最明寺で、その後、その子の北条時宗が、その最明寺を前身に禅興寺 として再興。開山は建長寺開山大覚禅師の五世法孫の位地にあった密室守厳禅師です。この方もとても有名な方です。


更に鎌倉幕府滅亡から約半世紀後の康暦2年(1380年)に、関東公方足利氏満が、管領上杉憲方に命じて禅興寺を復興させます。そしてそのときに出来た塔頭が明月院で旦那は上杉憲方です。塔頭って、まあ簡単に言えばお寺の中の分家みたいなものですが、独立採算制なもんで、禅興寺は段々すたれて明月院だけが残ったとこういう訳なんで御座います。

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その本当の明月院の門は、いつも挿花が楽しませてくれます。今日も良いですねぇ。


ところで、本堂の向こうの奥庭は?

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う〜ん、紅葉するまでに枯れてしまうかも。フキフキ ""A^^;

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ところで、その本堂の近くにこんな注意書きが! 狸だって。線路脇で死んでる狸は見たことがあるけど、生きているのは見たこと無いなぁ。出てこないかなぁ、と思ったその時、ガサガサっと音が。

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で、出たか! と思ったら猫でした。ちょっと字が違うんだよなぁ。残念。


ところで、ベンチが1箇所新しくなっていました。でもお弁当を広げたりしてはいけません。境内は飲食禁止で御座います。座ってお茶を飲むぐらいなら何も言われませんが。

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しかし今年の紅葉は撮るのが難しい。こうして逆光気味に撮ればサマにはなるんですがねぇ。

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