倉敷の旅 2009.4.9     アイビースクエア

アイビースクエアは江戸幕府の代官所跡に明治22年(1889年)に建設された倉敷紡績所の煉瓦造りの工場だった処で、倉敷紡績の発祥の地です。現在はクラレの所有で、倉敷紡績とクラレは資本関係の無い全くの別会社ですが、それは戦後の財閥解体、独占禁止法の関係です。
1945年(昭和20)終戦とともに長年に亘る綿紡績などの操業に終止符を打ち、休止工場としてなっていたものですが、1973年に改修されて、ホテルを中心とした文化施設となっています。

倉敷・アイビースクエア_01

この西側入口はかつて従業員が出入りした通用門で、倉敷川側からの観光客はここから入ります。あの運河の荷揚げ場から大八車が真っ直ぐに入っていったのがこの入り口ですね。

オルゴールミュゼ メタセコイア

右の木造の建物はオルゴールミュゼ メタセコイアで、アンティークオルゴールのコンサートを楽しむ博物館です。

倉敷・アイビースクエア_02

入りませんでしたが。

アイビー学館

アイビーって、あの建物を覆うツタのことなんです。ここはアイビー学館で高階秀爾の西洋近代絵画の解説や、中村昭夫の写真等を展示しているらしいです。

倉敷・アイビースクエア_03

ここも入りませんでしたが。

アイビースクエア

建物の中庭に入ってみましょう。

倉敷・アイビースクエア_04

こっちには葉が沢山ついてますね。さっきは本当に禿ツタで、どこが常緑じゃいって感じでしたが。

倉敷・アイビースクエア_05


最初に私が倉敷に来たときは、まだホテルにはなっていなかったはずで、外側から赤煉瓦の建物を見て回ったような記憶があります。

倉敷・アイビースクエア_06

カッコいいでしょ。ホテルになってから、なんかオシャレなんで泊まってみたかったんです。そんなに高くはありません。昔から。


今回、娘に「赤煉瓦のオシャレなホテルと、古くてカッコイイ日本旅館とどっちが良い?」と聞いたら、日本旅館の方が良いと。ちょっと意外。ちょっと残念。ここも一度は泊まりたかったのに。

倉敷・アイビースクエア_07

娘連れてりゃここも似合うけど、わし一人じゃちと似合わないんだよねぇ、ここ。


本来の入り口は実はあちらです。

倉敷・アイビースクエア_08

アイビースクエアの外側

こちらがさっきの門です。外側から。

倉敷・アイビースクエア_10


その隣はこれも昔の通用門でしょうか。ここだけ赤煉瓦じゃありませんね。でも雰囲気がありますね。

倉敷・アイビースクエア_11


で、またアイビースクエアの中に。

倉敷・アイビースクエア_12


ここは如何にも工場跡らしい赤煉瓦とツタ。そして桜が綺麗でした。

倉敷・アイビースクエア_13

倉紡記念館

こちらは倉紡記念館。紡績100年の歴史と時代と、倉敷紡績の歩みを展示しているそうです。

倉敷・アイビースクエア_14

やっぱりここから先には入りませんでした。

代官所の内濠遺構

天領・倉敷代官所の内濠遺構です。アイビースクエアは倉敷紡績所の工場跡地ですが、その倉敷紡績所が出来る前、江戸時代にはここに幕府が置いた倉敷代官所が有りました。更にその前の室町時代末期から戦国時代には、ここは小野ヶ城と言って小規模ながらも戦国武将、小領主(土豪)の館だったところです。

倉敷・アイビースクエア_15

江戸時代になって、小野氏は武士を捨て、と言ってもそもそも武士ってそんな確たるものではなかったのですが、手っ取り早く言えばサラリーマンよりも独立自営業を選んだってことです。古くからの名主の家の多くはそういう家です。

このサイトにあるだけでも、まず遠州の黒田家。天正2年(1574)、武田勝頼が高天神城を攻めたとき、黒田義則は高天神を守る武将の一人でしたが落城後は下平川に帰農。ようするに主君に仕えることを止めて大庄屋になったんですね。江戸時代になるより前、徳川家康の配下でもそういうことがあります。この黒田家はそれから200年後に、この地を知行した大名の分家(旗本)の代官になりましたが。もうひとつは西上州上野村の黒沢家もそうです。こちらは小田原北条氏に仕えていた武士で、系図によると良文流平氏梶原景時の子孫相馬氏の流れで、北条氏の滅亡後に武士を止めて自分の領地の庄屋(大総代)になったようです。で、こちらの小野氏は自分の屋敷を代官所として差し出して、庄屋になったということです。もちろん系図には詐称も多いのですが、その地に根付いていた大庄屋の場合には、少なくとも戦国時代ぐらいからは信じても良いかと。むしろ大名に仕えた中下級武士の方が信用できなさそうですね。

で、その小野家はここ倉敷村の古禄13家の筆頭として、江戸後期の新禄古禄の争いの頃までかなりの勢いをもっていたそうです。新禄の台頭で影は薄くなりますが。

児島虎次郎記念館

こちらの建物は旧工場倉庫。現在は大原美術館の別館・児島虎次郎記念館になっていて、 大原美術館の収蔵品を収集した画家・児島虎次郎の作品や、古代エジプト・オリエント美術の作品が展示されているようです。

倉敷・アイビースクエア_16

ここも時間の関係で入りませんでしたが。