倉敷の旅 2009.4.9-10   倉敷の宿・旅館鶴形

川舟の船頭さんの説明では、江戸時代中期に建てられた倉敷で最も古い建物を利用した純和風旅館です。

倉敷の宿・鶴形_01

1709年(宝永6)の倉敷村絵図には、ここに油屋・吉田九郎右衛門の広い屋敷が描かれているそうです。旅館鶴形の前には、「この建物は1744(延享元)年に建てられ、庭の松は樹齢400余年、2階の大広間は往時を偲ばせる」と書いた看板があったらしいのですが・・・、見落としました。(^_^;)

ここの油屋は東油屋で現在の吉井旅館の場所にあった古禄13軒のひとつ油屋吉田家の分家のようです。江戸時代後期に海産物問屋の傍ら金融業でも成功して財をなした新禄(新興勢力の大店)の小山家(浜田屋)が、ここ東油屋吉田家の屋敷を買収します。ちなみに、船頭さんの言うには「あの松の手入れに年間いくらかかっていると思います? 800万円です。まあそれ以外の手入れも含まれるんでしょうが」と。どひゃ〜、ですね。植木屋さんへの支払いでしょうか? 


こちらが私らの部屋。こんなカッコイイ旅館に泊まるなんて初めてですね。

倉敷の宿・鶴形_02

初めて倉敷に来た頃はユースホステルだったし。ダイビングやサイクルツーリングの時は民宿だし。バリ島に行ったときなんて竹で編んだ壁の隙間から外が見えたし。(;^_^A


窓から見ると、向こうに土蔵が見えますが、あれが倉敷考古館。そのお隣さんが思いっきりこの旅館にひっついているのは、あそこはここ小山家の屋敷の一部、米倉だったからです。

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こちらが風呂場。泊まった日には正面の大きな方が女湯、左の小さな方が男湯でした。

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きっと、女性客の方が多かったんでしょう。


部屋に料理が運ばれてくるなんて、なんてリッチな旅なんでしょう。それもフランス料理のようにフルコースが順番に。

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こちらは前菜で、梅筍そば滑子和え、蟹若草巻、桜豆富、蓬麩田楽、海老錦手毬です。そのあと、御造りが間八、平目。


その後の煮物がこれ。鯛の荒炊き。これは美味しかった♪ 最高です。

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ほんで、揚物が白魚天麩羅、たらの芽、こごみ、桜葛。


そしてこちらは酢の物で、ままかりマリネ、玉葱、人参、刃豆の花。で、最後の「刃豆」って書いてあるのが判らなくて仲居なんに聞いたら「なたまめ」って読むんですね。で、検索してみたら・・・

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「刃豆は下より裂きき始め上まで登り、また下りて花を咲き出すものゆえ、旅立ちする者登降無事に行く、刃豆の花の如くを祝意して、これを食し出立するものと聞く。」ってのが出てきました。
う〜ん、心憎い気配り。でも「刃豆」だとほとんど無い。で「なたまめ」で検索したら一般には「鉈豆」なんですね。 


そのあと御食事が蛸釜飯、香の物三種盛り、御留椀が赤だし。
で、水物がこの苺ゼリー寄せです。彩りが綺麗ですね。そしてさっぱりして美味しい。

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このガラスの器は小谷さんかって? 違うでしょう。でもとても似合ってますね。


翌朝です。部屋の窓から。何時だこれ? まだ7時前ですわ。

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倉敷窓です。廊下から。こうして見ると如何にも倉敷ですね。

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娘はまだ寝てる(というか寝ぼけてる)んで、今の内にと早朝の倉敷を撮りに行きました。

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ついでに旅館の中庭もパチリ。

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紅葉(こうよう)のような紅葉(もみじ)の若葉です。

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で、戻ってきて朝食はレストランの方で。如何にも旅館の朝食ですね。定番の海苔も付いてます。民宿の朝食とは途中まで似てはいても、でもやっぱ違いますね。

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干物を自分であぶって食べるなんて。